【土曜補習】第4講 9月28日
平成30年度土曜補習が開講中です。一般入試に対応する確かな学力の養成を目指して、講座を開設しています。また、生徒の進路実現を支援するべく、ニーズに応えた講座を開設しています。
【土曜補習4講】
開講日;9月28日(土)
講義時間;60分
対象者;特進コース全員、進学コース希望者
<生物基礎文系>
今回のテーマは細胞中での遺伝子発現です。メチルグリーンピロニン染色液を用います。
メチルグリーンピロニン染色液は、DNAを青緑色にRNAをピンク色に染色します。実際に細胞中での2つの核酸の分布がわかり、遺伝子発現を理解します。また、ミクロメーターを使用して細胞小器官などの計測も行います。
<実験>
A;タマネギ鱗片葉表皮細胞・・・細胞の長径、核小体、核の直径
B;ユスリカ唾腺染色体 ・・・染色体横幅
<実験の背景>
セントラルドグマ・・・遺伝情報の流れの原則;DNA→RNA→タンパク質
核小体は、リボソームRNAを合成する場です。ここで作られたリボソームが核膜孔から出て、細胞質基質に移動して、リボソームになり、ここでタンパク質が合成されます。(翻訳)
ユスリカの唾腺染色体には、パフという大きく膨らんだ箇所があります。ここではDNAからRNAが合成されています。(転写)以上から、核小体とパフではRNAが多く分布しており、ピンク色に染色されることが予測されます。
<結果>
A;タマネギ鱗片葉表皮細胞・・・150倍で見ると細胞壁で囲まれた細胞がたくさん見えます。
900倍で見ると、核内にピンク色で染色された核小体が見えました。直径2.8μmです。
B;ユスリカ唾腺染色体では、パフの部分がピンク色に染色されています。ここではおそらくRNAの合成が活発に行われているのでしょう。また、縞模様が青緑色に染色されています。写真のパフの横幅は7.0μmでした。
以上のように細胞という小宇宙で遺伝子の発現の一端を体験できました。
受講者の平均値は、Aタマネギ表皮細胞核小体4.0μm、核 30.6μm 、細胞壁6.9μmとなりました。